なぜ「エアコンはつけっぱなしの方が安い」と言われるのか調べてみた

家電

前回の「エアコンの電気代はつけっぱなしの方が安くなるのか調べてみた」からの続きです。

「エアコンはつけっぱなしのほうが安い」

この理屈はどういった計算結果から来ているのか、謎に思っている人も多いと思います。

私もその中の一人です。

普通に考えたら、エアコンの使用時間が短ければ短いほど、電気代が安くなるに違いないと思うでしょう。

しかしながら、色々な検証サイト等を見てみると「計算してみると12時間使った時より、24時間つけっぱなしのほうが安い」なんて結果になっていたりします。

これがどんな理屈なのか気になりますね。

目次

計算方法は以下の通り

一応計算については理屈が通っています。

例えば1,820W(120W~2,100W)の消費電力のエアコンがあったとします。

この表記の場合は最小で120W、最大で2100Wの電気を消費します
部屋を冷やすときに2100W、部屋が冷えている状態を維持するために120Wで動くといったイメージです。

このスペックは2017年現在の最新エアコンの17~26畳クラスのもののスペックです。
機種名は、以下の検証の中で意図せず「このエアコンは電気代が高いんだ!」なんて誤解を生んでしまう可能性があるので伏せておきます。

まずここまでが前提。

次に単価ですが、東京電力の従量電灯Bの30Aで考えた場合

最初の120kWhまで:19.52円
120kWhをこえ300kWhまで:26.00円
上記超過:30.02円

という計算になります。

どの単価が当てはまるのか、これは家庭での総使用量で変わりますので一概にどの単価かは明言できません。

ですので

(19.52+26.00+30.02) ÷ 3= 25.18円

として平均値で考えます。

多くのサイトで単価が25円で計算されているはこの辺が理由でしょう。

今回は同じように単価を25円に設定して考えます。

計算はkWhあたりの単価になります。

「1時間あたりに何キロワット使ったか」という計算になります。

つまり、今回例にしたスペックのエアコンが最大で動いた場合

2,100Wが2.1kWになり、1時間動くと2.1kWhになります。

動かしてみた時の違い

一番最初に部屋を冷やすときに1時間必要で、その後は部屋の温度が大きく変わらないと考えた場合で計算します。

まず、初回起動時

2.1kW(2100W)×1時間=2.1kWh
2.1kWh×25円=52.5円となります。

一時間経過し、その後室温が冷えて安定した後、最低出力で動くのであれば、1時間当たりの電気代は
0.12kW(120W)×1時間=0.12kWh
0.12Wh×25円=3円となります。

初回起動時と、最低出力で動いている間で10倍以上の差があります。

これを前提に考えてみましょう。

24時間つけっぱなしの場合

■初日
2.1kWh×25円=52.5円 ※初回起動時
0.12Wh×23時間×25円=69円
合計:121.5円

■二日目以降
0.12Wh×24時間×25円=72円
合計:72円

■30日経過
121.5円(※初日)+(72円×29日)=2,209.5円

1日12時間だけつけた場合

■1日あたり
2.1kWh×25円=52.5円 ※起動直後
0.12Wh×11時間×25円=33円
合計:85.5円

■30日経過
85.5円×30日=2,565円

本当だ!24時間つけっぱなしのほうが安い!!!

って、そんなわけあるかよ

計算が成り立たないと思う理由

上記の計算が成り立たないと思う理由は色々ありますが、先に要約すると上記の条件を成り立たせるには

超高気密高断熱のお部屋で、熱源が無くて、人も近寄らず、室内温度が全く変わない所なら行けると思う。

といった感じですね。

この計算の穴は最低W数が120Wで計算してあるところです。

この最低W数って本当に最低値なんですが、この状態でエアコンから冷たい風が出ていると思いますか?

最低W数ってさ、ただの「送風」じゃないの?

そう、エアコンには「送風」という機能があります。この状態での動作が最低出力での運転状態と考えるのが妥当でしょう。

冷風が出ている状態というのはつまり冷たい空気を作るためにコンプレッサーが稼働するので、送風時よりも消費電力量が上がるはずなのです。

という事は、冷たい風が出ている状態は最低W数ではないと考えられます。

この計算の穴はソコ。

冷たい風が出ないという事は室温が変化していない。

エアコンが「これ以上冷やす必要はないな」という状況を24時間維持できることが前提でないと計算が成り立たないという事になります。

前回の「エアコンの電気代はつけっぱなしの方が安くなるのか調べてみた」で触れた通り、室温を上げることになる原因は沢山あります。

・人間
・外気温
・家電製品

シンプルに考えてもこれだけあります。人間が出入りしただけでも温度変化が発生します。

一般家庭において、これを考慮しなくていい環境は基本ありえないといえるでしょう。

天気と気温はいつも同じ?

さて、上記で計算が成り立たない理由については書きましたが、更に24時間つけっぱなしのほうが電気代がかかると思う理由がいくつかあります。

普通に生活していて

「今日はエアコンいらねぇな」

とか

「今日はエアコンつけてるのにやたら熱いな。設定温度下げよう」

なんて思う日はないでしょうか。

まず、前者で考えた場合、エアコンいらない=常時OFFの状態になります。つまりその時間分の電気代はかかりません。

次に「エアコンをつけているのに暑い」の状態ですが、これはつまり「エアコンはその時点で全力運転で頑張っている状態」と考えらえます。

さて、前述の通り、エアコンの全力運転の時の電力量が大きいのは単純計算の結果からもわかります。

誰もいない部屋で、真夏に、エアコンが全力運転している状態がずっと続く…。

これヤバくない?

例えば、気温がぐんぐんと上がり始める時間帯…最近は朝から暑い日が多いので、10~16時まで暑い時間が続いたとしましょう。

Aさんは24時間エアコンつける派。ただエアコンのパワーや断熱性が足りず、6時間の間エアコン頑張り続けたとしたら…

暑い時間
2.1kWh×25円×6時間=315円

涼しい時間
0.12Wh×18時間×25円=54円

合計:369円

もうなんかとんでもない金額になりそうですね。

そんな猛暑日が月に5日程あったとしましょう。

暑い日 :369円×5日=1845円
涼しい日:72円×25日=1800円
合計:3,645円

なにこれ怖い(笑)

これもあくまで机上の計算だけですが、環境によってはこういった結果になることもあるわけです。

「日中お仕事だからエアコンを使わない」という人であればシンプルに考えて「369円×5日=1845円」分お得になる可能性もあるわけですね。

エアコンの動作は一定ではない

これは前回のグラフを見て頂ければ明らかです。

これは一晩中エアコンをつけっぱなしにして就寝した際の電気消費量のグラフなんですが、温度が安定している深夜帯でもこれだけ変化があります。

我が家のエアコン、繰り返しになりますが、富士通ゼネラルのAS-E28S。
インバーター冷暖房エアコン AS-E28S

消費電力は605W(125 〜 980)です。

省エネ性能ですが2010年の省エネ基準達成率89%なので、決して古くてやたら電気を使うエアコンではないだろうと考えられます。

グラフは1分あたりの値になりますので、例えばグラフが6.4Whを指していれば、その時は大体384Wでエアコンが動いていたことになります。

グラフを読み解くとこうなります。

これだけ見ても消費電力が一定でない事は明らかですね。最低電力で動いている時間はごく僅かです。

さらに、時間当たりの消費電力量が155Wh。

このまま24時間30日ずっと動いたとしたら

155Wh×24時間×30日÷1000(kWにする)×25円=2790円

となります。

全然お得感ないんだけど‥‥。

とりえあず

少なくとも我が家の環境ではエアコンをつけっぱなしにした方が電気代は高くなるだろう

という事がわかりました。

まとめ

「エアコンをつけっぱなしのほうが電気代が安くなる」理論は、実現するにはクリアしなければならない条件が山ほどあるようだという結論に至りました。

まぁ正直そんなもんだろうと思っていましたが、計算してみると非常にわかりやすい結果となりましたね。

私はこれからも「暑けりゃエアコンつけるし、涼しい日はエアコン使わない」スタイルで行きたいと思います。

次回は「こまめにエアコンON/OFFするよりも・・・」の「こまめ」がどの程度のサイクルならばよいのか、実験してみたいと思います。

またしばしお待ちくださいませ。

–追記–
エアコンつけっぱなし論争に決着!こまめに消してもいいみたい

コメント

  1. ジャガーXJ より:

    大変貴重な実験をありがとうございます。
    まことに面白く、論理的な「つけっぱなしの方が安いは、机上の空論」という結果ですね。

    私はバリバリの文系人間なので、ワットという単位が出た時点でワット驚き、話についていけるかどうか、不安になりましたが、最後まで読み
    「そうか、そうか。つけっぱなしの方が高いのか。そうだろう、そうだろう」と納得しました。

    不謹慎な発言です。
    つけっぱなしでも、倍額にはならないんだって思いました。

    過去に述べたのですが、私の会社は「一年中エアコンつけっぱなし」です。
    理由は、これも述べたように「ワンコが4匹、会社に住んでいる」からです。
    拾ってきた犬ころでなく、タイ米じゃない、大枚はたいた血統書付きのお犬様が4匹をいらっしゃるので、暑くてどうかなってしまったとか、寒くて動かなくなっていたとなると、大損害なのです。
    かつ、臭いを取るためのサワデーとかなんたらとか、トイレ周辺機器とかがあります。
    「会社じゃないだろ」と言われそうですが、株式会社です。従業員も7人おります。

    そういうアホ環境でも「電気代が倍になってる(かもしれない)」と思うわけです。
    勿論、自宅でエアコンつけっぱなしなどしたら、私には飯抜きの刑が妻から下されてしまいます。
    ただでさえ燃費の悪い車を乗り回しやがって、そのうえエアコンまでつけっぱなしにし腐りやがったって、鬼になります。
    電気代は私が払ってるんですけど、この辺りの女性というか女房の頭の仕組みは測りかねるところがあります。

    いつか「夫が電気代を払っていて、エアコンをかけっぱなしにしてて何が悪いのか」の考察をしていただきたく存じます。

    なお、会社では従業員募集する際に「犬がいるけど、良いですか」質問をかかさずし、ワンコが好きです、そのためにエアコンが年中かけっぱなしで、電気代が倍になってるため、従業員の給与が安くても我慢しますという人材を集めております。
    バカな会社だなあ。

    • 鑑人 より:

      ジャガーXJさん

      コメントありがとうございます!

      ご満足いただけたようで何よりです!

      もう少し色々実験してみてますのでまたの記事更新をお待ちくださいませ。

      ちなみに、私も文系ですので、計算式を自分で書きながらげんなりしておりました。
      エアコン費用は単純に倍額にはならなそうですね。オフィスという事もあり、建物としてもしっかりしていそうですし。
      ただオフィス用エアコンであれば、出力も大きいのでそれなりの金額になりそうですね…。

      いつか「夫が電気代を払っていて、エアコンをかけっぱなしにしてて何が悪いのか」の考察をしていただきたく存じます。

      こちらに関しましては、考察してしまうと四方八方から攻撃を受けてしまいそうなのでご勘弁下さい(笑)

      血統証つきのワンちゃんという事ですので、御社の詳細をは存じ上げませんが、もしかしたら社員さんよりもワンちゃんのほうがいい飯を食っている…なんて可能性もあるわけですね(笑)
      ワンコのいる会社、素敵だと思いますよ。何より、株式会社として社員を雇い、生活を支えている。とても立派なことだと思います。

  2. ジャガーXJ より:

    ワンコの方が人間様より高価なものを喰ってやがります。
    昼食は社員全員がテーブルで一緒に業者配達のお弁当を食べます。
    一食400円しないリーズナブルなものです。
    その時、ワンコ4匹は足元にて「なにか食わせろ」とスフィンクスのように、待機なさっておられます。
    そこで与えるワンコ様用お食事は「犬用」と印刷された高級ドックフードというか、そういうものです。
    細かな事を確認してないのですが、外国製のなんとかで「この一袋が900円するんです」との報告を聞いた事があります。
    「このワンコたちは、会社の備品として、減価償却できるのかどうか」「できません」などと話してるおバカです。
     ところで、私の乗ってる車は会社経費で買った車ではなく、自腹で買ってるんです。
    会社にはレンジローバーが一台あるので、もう一台買うのはアカンのだそうです。

    • 鑑人 より:

      ジャガーXJ さん

      ワンコ、24時間エアコン完備、食事つきとは何とも贅沢な…。

      会社のお車がレンジローバーですか!カッコイイですね!

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