コーティング剤は帯電して埃を寄せ付けるのか調べてみた

コーティング

コーティング剤について調べていると時々目にする「このコーティング剤、すごく帯電して埃を吸い付けるんだよねぇ」みたいなレビュー。

以前、「コーティング剤の帯電性の違いはあるのか調べてみた」の記事にて軽く確認をしてみましたが、よく違いがわからないまま終わってしまいました。

という事で今回はさらにこの帯電性だけに焦点を当てて実験をしてみたいと思います。

目次

帯電性比較の実験道具を探す

まずは実験道具探し。

静電気で埃を吸い付けるとなるとどうやって試したらよいものかと考えた結果、思いついたのが「発泡スチロール」と「下敷き」

発泡スチロールについては、通販の梱包材なんかで発泡スチロールの粒のクッションが静電気で手についてめんどくさい思いをした方も多いはず。

下敷きについては頭でゴシゴシして、「ほら!!みて!!みて!!髪の毛!!!」と遊んだ方はかなり多いでしょう。

下敷きについてはどこでも購入可能ですね。

発泡スチロールについては、なるべく粒の細かいもののほうがいいかなぁってことで、考えた結果、手芸品コーナーでビーズクッションの中身として売ってないかと思い足を運んでみました。

—————店先での会話——————————-

私「すみません、ビーズクッションなんかに使う発泡スチロールの粒みたいなやつってありませんか?」

店員さん「はぁ・・・。ありますけど人形か何かにお使いですか?(なにこのおっさん)」

私「いえ…んーまぁ静電気の実験をしたくて…。なるべく粒が細かいのがいいんですけど…。」

店員さん「そうですか。こちらになりますが、粒の大きいもののほうがいいと思いますよ?」

私「そうなんですか?」

店員さん「はい。あまり粒が小さいのになりますと…」

店員さん「大変なことになりますよ?」

私「え!?」

店員さん「はい…。それはもう、飛び散るし静電気でくっつくし、取れないし…。私がそうでしたから…。」

私「マジですか…。」

店員さん「はい…。」

私「じゃぁこの一番粒の小さい奴をください!!」

店員さん「…。」

———————————————-

といった感じのやり取りがあったりなかったり。手芸品コーナーの店員さん。変な客でごめんなさい!

店員さんのせっかくの善意のアドバイスを無視して買ってきた発泡スチロールビーズがコレ。非常に粒が細かく、さらに既に袋の中で静電気が発生しています。

実験開始

それでは実験開始です。用意するのは下敷きと、発泡スチロールビーズと、アマゾンの箱。

これに発泡スチロールビーズを敷き詰めまして

下敷きを入れ

ゴシゴシと…そして持ち上げると…

あれ?

思いの他くっつかないんですね。

全然、発泡スチロールビーズがくっついてくれません。

ここでちょっとグーグル検索。

あーーーなるほど

ざっくり言いますと

「マイナスを帯電しやすいもの同士だから」

という事のようです。

物にはプラスに帯電しやすいものと、マイナスに帯電しやすいものがあり、この二つの差が大きいほど静電気が発生しやすいという事のようです。

例えば髪の毛と下敷きで言えば、髪の毛はプラス、下敷きはマイナス。この差が大きいためこすれた時に静電気が発生するという事のよう。

これは基本中の基本なのかな。学校の授業をちゃんと聞いておけばよかったなぁと思いました。

で、発泡スチロールも、下敷きもマイナスに帯電しやすいものなので、こすれあっても静電気が発生しずらいという事のようです。

でもあきらめたくない!

ということで、これは摩擦を大きくしてやれば足りない分も補えるんじゃないかってことで、さらにビーズクッションを投入。

そうすると

えらいことになりました

こちらは状況をお伝えするために、一通り終わってから撮った写真撮影用の手の状態ですが、静電気で発泡スチロールビーズがくっついています。決して手が脂ぎっていてくっついているわけではありません。

はらってもはらっても、重力に逆らって手に戻ってくる。光景としてはなかなか面白いんですが

かなりウザい(笑)

「大変なことになりますよ」と言っていた店員さんの顔を思い出しました。

お掃除中の写真は取れませんでしたが

・こぼれるビーズ

・衣服につくビーズ

・手につくビーズ

・掃除機の風で舞い上がるビーズ

まぁ地獄絵図でしたね。大変でした。

でも、おかげさまでこの通り。

下敷きに大量にビーズがくっつくようになりました。

コーティング剤を塗ってみる

それでは、準備ができたところでコーティング剤を塗った状態での変化を調べてみたいと思います。

まずは一般的なカーワックス。先日試したばかりのニューウィルソンで試してみます。

右半分だけニューウィルソンを塗ってみました。

これをスチロールビーズの中に沈めて、ユサユサと振ってあげます。

上手に静電気を作れなかったんですが、下敷きの下部をご覧下さい。左だけ大量にビーズがついていますね。
右は静電気ができにくくなっていると思います。

次にフッ素系の代表ということで選抜したミラーシャイン。

こちらも右側だけに塗ってみましたが、ニューウィルソンと同じような結果。

最後にガラス系ってことでCCウォーターゴールド。

なるほど

変わらない(笑)

どれを塗っても変化がありません。全部ビーズがつきにくくなりました。

予想と違う結果になるとがっかりしますね。

ほーらこんなに違うんだぞーー!って結果になってほしかった…

でも仕方ない。どれを塗ってもとりあえず発泡スチロールビーズはくっつきにくくなりました。

結論

以上、今回の実験から導き出した結論。

それは

静電気云々って…気のせいじゃね?

ってことですね。

いやね、私も薄々感じていたんですよ。

天気の問題じゃないか

て。

だって、静電気が発生するってことは空気が乾燥してるってことでしょ?

空気が乾燥してるってことはホコリが舞いやすい状態ってことでしょ?

そしたらなんもしなくてもホコリはつくよね。

っていうか空気乾燥してたら、コーティングも何も、車体が走って空気との摩擦が発生すれば静電気は少しでも発生するよね…。

そりゃホコリもつくよね。

と、言い聞かせることにしました。

もう静電気については気にしない。

気のせいだきっと。

ふざけんな!そんなわけない!!コーティング剤でホコリのつき方全然ちげぇから!!

というご意見の方は当然いらっしゃると思います。でもそれは静電気じゃないかもしれない。単純に表面のスベスベ具合とかその辺の違いかもしれない。そう、ホコリがスルっと落ちるのか、引っかかるのか的な…ね?

とりあえず、どうにも結果に満足いただけない方は、どうぞ試してみてください。1000円未満で実験道具一式そろえられます。

ただ

自分は正直もうやりたくないっす(笑)

だって実験面倒なんだもん(笑)

掃除とか

掃除とか

掃除とか…

下敷きと発泡スチロールのビーズとアマゾンの箱があれば実験可能ですので、気になる方はお試しください。

乾燥の強い時期にやりますと、見事にめんどくさいことになると思います。

コメント

  1. マ・クベ より:

    AGAの記事の時にコメントさせていただいたマ・クベです。
    実験お疲れ様でした。ご苦労されたのに申し訳ありませんが楽しく拝見させていただきました。

    • 鑑人 より:

      マ・クベ さん

      コメントありがとうございます!

      楽しんでいただけて何よりです。
      むしろそれだけが励みです(笑)

  2. C43AMG より:

    いつも楽しく拝見させて頂いております。
    今回の実験はいつにも増して興味深いものでした。
    他の記事とは異なるオリジナリティ溢れた視点とずば抜けた行動力に感服します。

    • 鑑人 より:

      C43AMG さん

      こんにちは!
      コメントありがとうございます!

      お褒めいただきましてありがとうございます!
      結果のほうにご不満の方も多いんじゃないかなぁと少し心配だったんですが、記事で喜んでいただけて何よりです!

  3. MS より:

    初めてコメントさせていただきます。
    今回の記事には無関係ですが、私は以前アクアドロップを施工したバイクに貼っていたステッカーを剥がすべくステッカー剥がし剤を塗布、ステッカーを剥がし終えたら拭き取り・・・という事をやりましたところ、被膜がドロドロになり拭いた瞬間に乾燥が超絶早い糊みたいになった事がございます。MFタオルがくっ付いてしまうレベルで。
    水垢ストロングでのコーティング剥離は安心感が高いようですが、機会があれば是非硬化型ガラスコーティング剤を指定の日数置いた後でステッカー剥がし剤やパーツクリーナーで拭いてみる。という実験もやられてみてください。
    ちなみにアクアドロップはガラスではなくただの透明樹脂なんじゃないか?という感じで取れました。
    車にステッカーを貼るという事をする方はそう多くはありませんが、気が向いたらで結構ですので是非お試しください。

    • 鑑人 より:

      MSさん

      コメントありがとうございます!

      なるほどステッカー剝がしですか。パネルで実験で実験できそうですね!
      硬化系となると手持ちで残ってるのはシランガードだけなんですが、そちらで今度試してみたいと思います!
      情報ありがとうございます!

  4. トラン より:

    こんにちは。はじめまして。いつも独りで微笑みながら読ませてもらってます。
    新記事でのコメントでも良かったんですが静電気物と言うことでこちらからコメントします。
    最近話題の静電気チューン [トヨタ流アルミテープチューニング]なんてどうでしょうか。
    昔オカルトのように扱われてた USO800 がトヨタがするだけでこんなに話題になるんですね。
    家にあったアルミテープでUSO800を切って貼ってして通勤スクーターで実験した時はプラシーボ効果なのかどうかわかりませんが燃費アップに効果がありました。
    家にあれば実験はタダなんでネタにどうでしょうか。

    • 鑑人 より:

      トランさん

      こんにちは!
      コメントありがとうございます!

      いやぁUSO800とはずいぶんと懐かしい…。
      当時USO800(嘘八百)とはすごい名前だと思ったものです…。
      昔々修学旅行で行った京都の「グラスホッパー」というお店を思い出しました。
      今もまだあるのかな。※グラスホッパーはバッタの事です。

      ネットの記事で情報を見た時には「オカルトかよ!」と思ってスルーしてみましたが、もっと調べて試せそうならやってみます!
      情報ありがとうございます!

  5. Bluebird より:

    こちらの記事も大変興味深く読ませて頂きました

    静電気とは関係が無く環境により埃の付き方が異なる事は予想しておりました。
    しかし、実際に実験をした事があるのですが
    ペルシードとCCウォータゴールドを右サイドと左サイドに分けて実験した事があります。
    (青空駐車で屋根等も無い駐車場です)

    そこでの結果ですが、1度雨が降るまで待って確認しました。
    雨が降る前の状況ではペルシードの方が若干ですが埃が付きづらい状況で
    CCウォータゴールド側は既に埃等が付着してました。

    雨の後は、どちらも埃等はきれいに落ちていて、コーティングした効果がありました。
    しかし、CCウォータゴールド側ではドアミラーの下側に黒筋が出来ていて、その部分だけがくっきりと残っていました。

    どういう分析をすれば良いか不明ではありますが、結論としては
    黒筋が出来ないペルシードを愛用する事にした次第です。

    静電気の影響は確かに無いと思っております。

    参考まで

    • 鑑人 より:

      Bluebird さん

      こちらにもコメントありがとうございます!

      なるほど。
      実際に使われる中で明確な違いがあるのですね。
      黒筋の原因は光沢を出すためのシリコンとかその辺でしょうか…。
      液体的にペルシードはサラっとした感じ、CCウォーターゴールドは「トロ」とまではいきませんが真っ白で「たくさん色々入ってます!」感がありますので、何らかの成分が流れ落ちたとも考えられそうですね。

      情報ありがとうございます!

  6. bluebird より:

    一つ仮説ですが考えてみました

    CCシリーズはもしかしたら硬化しない?
    または硬化するのに時間がかかるのかも

    と考えました

    硬化するのに時間がかかると埃も当然着きやすくなりますし
    雨で汚れ含めて垂れもしますね

    スマートミストやペルシードなどは硬化(硬化と言うか完全に乾く)までの時間が短いのでは無いかと考えました

    そう考えると全ての評価も納得が着きます

    如何でしょうか?

    本日今年洗車納めをしていて気が付いたものですから、コメントに残させて頂きました

    来年も宜しくお願いします

    良いお年を

    • 鑑人 より:

      bluebird さん

      コメントありがとうございます。

      ご指摘の点は多分にあるかと思われます。
      というか、「ウルウルツヤツヤ感、傷の隠蔽効果を出すための成分自体がそこまで水に強くなく、そしてそれは、汚れやほこりがつきやすいもの」と考えたほうが妥当かもしれません。

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